D級アンプ (YDA138 デジタルアンプ) でヘッドホンアンプを作る

D級アンプは、PWM(パルス幅変調)のインバーター回路方式のアンプです*1。いいかれば、モーター制御と同じですね。

 

例えば、銀座線の東京メトロ1000系ですと、PM同期モーター(PMSM)をPWM、VVVFインバーターで制御しています。

  インバータ制御を行うと 高精度の制御、 高効率 になります。

 

D級アンプに話を戻すと、

 D級アンプはA級アンプ、AB級アンプよりも部品点数が減らせます。

 高効率のため、ヒートシンクを小さく、またはなくせます。

 

D級アンプはかつては制御技術が低かったこともあり音が悪かったのですが、技術が向上したことにより高音質化を実現しています。今回は、YAMAHA製のIC YDA138を使用しました。

 

デジタルアンプはそのままヘッドホンに接続できない

 

ほとんどのデジタルアンプの出力は、BTL出力ため、R+ R-、L+ L-です。ヘッドホンの端子はR+ L+ GNDとなっており、そのままでは接続できません。これはデジタルアンプの出力がバランス出力に対しヘッドホンがアンバランス入力になっているからです。なお、YDA138 の出力もBTL出力ため、R+ R-、L+ L-です。

 

ここで、 デジタルアンプの出力R-L-をショットさせヘッドホンGNDに接続した場合、デジタルアンプのICか、ヘッドホンそのものが破損します。

故に接続方法を考えなければなりません。

 

 トランスでバランス アンバランスを変換すれば簡単

トランスを使うことで、デジタルアンプのBTL出力をGNDが共通なアンバランスに変換できます。

 

今回、YDA138の組み立て済みD級アンプ基板を使用しました。トランスは、既に所有していたサンスイのST41Aを使用しました。

YDA138のスピーカー出力にサンスイのST41Aトランス(ST46,ST48,ST60,ST62でも可*2 )*3を下記の回路図のように接続してください。トランスの1次側をYDA138のスピーカー出力に、トランスの2次側をイヤホンジャックに接続します。

経験則上、サンスイのドライバー用のトランジスタートランスを使用する場合は「ハイ受け、ロー出し」にした方が音の劣化が少ないです。ただ、インピーダンスマッチングが出来ていませんので出力は低下しますが、YDA138の最大出力が10w、電源がDC12V(Typ.)なので出力の低下は気にならないと思います。

 

回路図には記載しませんでしたが、イヤホンジャックのGNDとトランスのコアカバーをショートさせてください。この作業を行わなくても動作しますがその場合はノイズが多くなります。

サンスイのSTシリーズのトランスは加極性トランスですので、製作する際は極性に注意してください。あと、YDA138の電源のマイナスとイヤホンジャックのGNDをショートさせないようにしてください。

 

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さて肝心な音質ですが、定位が良く解像度も高いアンプになりました。

 

 

*1:スイッチングアンプ|エヌエフ回路設計ブロック

*2:アサイズが大きく、巻き数比が高いほど音が良くなる傾向がある

*3:サンスイトランスdatasheet